鉄工所に押しかけ、子どもたちと見学
- 清乃 高沖
- 2015年7月28日
- 読了時間: 4分
建築家の先生に、
「今回、家を建てる工程で、ここがハイライトだ!と1か所だけ挙げるとすればどこですか?」
と、お尋ねしたところ
「一番、ダイナミックな光景は《鉄骨》を組みあげるところです」
との回答。
冬ごろから、鉄骨の作業を心待ちにしておりました。
いよいよ、間もなくです。
そんな話を、あちこちでしておりましたら
地元の不動産屋さんの鈴木さんが、「そういえば高沖さん家の鉄骨やさん、知り合いだよ」といって
先日、鉄工所の社長さんを紹介してくださいました。

↑写真真ん中が鈴木さん。右側が宮下鉄工の社長、宮下健さん。
宮下さんも男児の父ということで、話がはずみまして
「せっかくだから、夏休みに鉄工所に見に来ませんか?
ちょうど、高沖さんちの鉄骨の作業を、見ることができますよ」とのこと。
なんとーー!!うれしいーー!
というわけで、先週の土曜日に行ってしまいました、宮下鉄工。じゃーん!


大きーい!!
よくわからないまま勢いでお邪魔してしまったのですが、
宮下さんが子どもにもわかるように、と資料を準備してくださっておりました。ありがたいです。
我が家の場合、今回はこの緑・青・茶の線の部分が鉄骨になるのだそう。

思ったよりたくさんの鉄の骨が使われていると、はじめてしりました。
設計図からはわからない世界。おもしろいです。
H型の素材(その名もH鋼というのだそう)を、必要な長さに切ったり穴をあけたり。

これで切るのだそう。大きな刃って、どきどきするー!

H型は、縦の大きな柱になりますが

やや細い丸い形の鉄鋼(かな?)は、横軸の柱になるそうです。

並んでいるとどれも同じに見えますが、
ひとつひとつ、長さや接続部分の形が異なるのだそう!
間違いのないよう、設計図通りに長さを調節し部品を接合。1本1本に座標軸のような番号を振るとのことです。
ちなみに、この写真に写っている丸い鉄鋼は、すべて本当に我が家で使うもの。
わたしたちはこの柱に守られて暮らしていくんですね。なんだか心強いです。
接合部分を溶接する方がいらっしゃいました。

びゃーと火花を散らしてくっつければOK!
なんて思いがちですが、大きな部品にもかかわらず、なんと検査にとおる基準は
誤差プラスマイナス3mmだそう。
こんなに大きな部品で3mmの差なんてー!
しかも、熱が冷めると縮むので、その分を考慮して溶接作業をするとのこと。
ちょうどこの前日に検査があり、宮下鉄工さんの我が家の部品たちは誤差1mmの範囲だったそうです。
プロフェッショナル!!

危ないところに上った長男は、宮下さんに捕まりました。捕まったのに嬉しそうで困りもの(笑)。

最後に見せていただいたのはこちら。
今回の鉄骨でいちばん小さなパーツですが、これは本数が多い!
写っているものほぼすべて、我が家用のパーツだそうです。

数百もあるパーツを、設計図に従って機械に数値をインプットして作業しますが、
今回は、女性の方がこの仕事を担当くださっているそうです。
鉄工所=男性 と思い浮かべた自分のステレオタイプに驚きます。
鉄工のための設計図を作るのも、宮下鉄工さんのお仕事。
家を1軒建てるには、設計図だけでも、きっとものすごく種類があるんですね。
鉄工用、電気用、配管用などなど、でしょうか。
私たちが確認で見ているのは、ほんの一部で
ゼロが並ぶ見積の総額だけを見たら、ずいぶん大きな金額に感じますが、
こうして実際の仕事に触れると「なるほど」と納得します。
柱ひとつにもこれだけの工程、そして技術に材料。
その裏で、事故のないように安全策を重ね、工場内を整頓し、雇用し教育し、と
企業側のたくさんの努力がある (…ことを、経営者の端くれである私はわかるようになってきました)。
そしてそれらを束ねる現場の監督さん。
予算管理にスケジュール管理にと、きっと大忙しです。
子どもたちは、詳しいことはわからないかもしれないけれど
「ぼくの家の壁には、宮下さんが作ってくれた、強くて丈夫な柱がいっぱいはいっているんだ」
と知ってくれて、家の成り立ちがちょっぴりでも身近になればうれしいです。
いよいよあさって、ハイライトの鉄骨工事が始まります。

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