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心配したわー

  • 執筆者の写真: 清乃 高沖
    清乃 高沖
  • 2016年1月19日
  • 読了時間: 4分

昨日、長野県伊那市にも雪が降りまして

まとまった降雪は今年初。

子どもたちは大喜び。子犬のように、雪まみれになって遊んでいます。

たのしいですよね。

干しても干しても、ブーツはびしょびしょです 笑

そして本日。

夕方、いつもの帰宅時間になっても長男が学校から帰ってこない。

まだ雪がだいぶ残っているし、時間がかかるのかも...と思っていましたが

20分過ぎても帰ってこず。

ほんのり心配になったかーさんは、ちょっと近所を見に行くことに。

20分くらいで心配し過ぎ?とも思ったのですが

そうはいっても、息子は、東京から越してきてまだ1年で

本格的な雪道を1人で歩くなんてはじめてのことです。

日中の太陽で雪が溶けている道もありましたが、こんな感じの雪原風の場所もあって

この寒々とした景色が、都会育ちの長男の目にどう映っているのか。

滑って転んでるんじゃなかろうか。

凍える川に落ちたりしていないだろうか。

最初は写真を撮ったりして余裕があったのですが

探せば探すほど不安は募るもの。

ダウンコートと大きなストールを巻いて出ましたが、それでもかなり寒い。

鼻先が凍りそう。おまけに今見たら、眉毛が消えかかってる!(;゚Д゚)

通学路を歩くのなんて、わたしだって約30年ぶりで

いまいち足元の感覚が戻らず、何度もすべって転びそうになりました((+_+))

昨年ヘルシンキを歩いた時だって、こんなに凍ってなかった気が。

今日はほんとうに寒い。

真っ白な平野の向こうに少年を見つけ、

あ、むすこだ! と思ったのに、別の子だったりして。もー

こんな時は、よその子ばかり現れます。

あいつめ、いったいどこへいってしまったのだろう。

家から学校まで、2km弱くらいでしょうか。

なかなか見つからずに不安になって、道程を半分を過ぎたところでとうとう夫に電話

「見つからないから、通学路でないルートを車でさがしてみて」。

そのあとも数分歩き、何人もの小学生とすれ違い

あーいったいどこにいってしまったのだろう!こんな寒い日に!と募る焦り。

だんだん学校が近づいてきて

もしも、学校にもいなかったらどうしようと不安マックスになりかけた時、夫からLINEがはいりました

「ほかくした」 

あーーーーよかった。

かーさん、ほんとに心配したわー (;_;)

あいつめー、ばかちーん!!

と、心配極まった反動でぷりぷりしながら、家へと引き返しました。

引き返す時

デジャブだ

と、思いました。

私が小学生だったころ、この同じ道を

よく祖母が迎えに来ていました。

白いストールを巻いて、滑らないようにと、まるで草履のようにちょこちょこと歩いてくる祖母。

祖母といっても、私が小学生だったころ、祖母はまだ50代でした。

いまのわたしと10ばかりしか違わない。

祖母も、迎えに来るたびに

川へ落ちたのではないか、誰かに連れていかれたのではないか と心配していたのでしょうか。

通学路の途中で私に出会うと

「寒いから、心配したのよ」 とだけ言う祖母。

けして、怒ったりはしませんでした。

「首が出ていると体が寒いから」と、私の分のストールも抱えていたりするのだけれど

柄がおばさんぽくて、巻くのが恥ずかしかった。

でも、あたたかかった。

幼い頃の我が家は、

宿題をしなさいとか、門限は何時とか、コーラを飲んだらダメ とか

なにひとつ制限がない家でした。

だから私は、好きなことを好きなようにやっていて

誰からも干渉されずに、ただただ自由に生きてきたと思っていたのですが

違ったのかも。

たしかに余分な干渉はなかったけれども、

わたしの帰宅時間が近づくと、毎日、時計を気にしていたであろう祖母。

几帳面な人だったから、きっと5分おきに時間を見て

あぶないな と思うと、白いストールを巻いて様子を見に来たのでしょう。

不思議と夏に迎えに来る祖母の姿は思い出せません。

思い出すのは、白いストールの祖母ばかり。

冬場は日が短いから、少し遅くなっただけで迎えにきてくれていたのかも。

わたしは、ほおっておかれて、ただただ自由が与えられていたのではなく、

こんなにも祖母や周囲に愛されて育ったのか。

ざくざくと、凍ってしまった道を踏みながら歩く30年ぶりの通学路。

はじめてわかったいろいろなこと。

祖母が亡くなったとき、

わたしは形見にと祖母の指輪と一緒に、白いストールももらいました。

わたしも、祖母みたいにむすこたちを愛せたらいいな。


 
 
 

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